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尊敬する先生

  • 執筆者の写真: sugi220513
    sugi220513
  • 2017年9月13日
  • 読了時間: 4分

尊敬する先生

子供が3人いると色んな先生との出会いがあり、自分の先生を思い出す機会も多々あります。

思い出に残る先生は誰の心の中にもいるのではないでしょうか?

面白い先生、厳しい先生、優しい先生。

でも、私が1番、尊敬している先生は、授業中に面白い脱線話をしてくれた先生でも、自分の悩みに寄り添ってくれた先生でもありません。

どちらかと言えば逆で、ジョークも言わず、プライベートは教えてくれなそうな、、笑顔でも、どこか毅然とした感じの先生でした。

出会いは鮮明に覚えています。

皆、ブカブカの制服に身を包んだ中1の春、

その先生はカツカツとハイヒール?の音を立て、元、宝塚の天海祐希さんのような凛としたオーラで教室に入って来ました。

そして自己紹介を終えた後の一言に私は大きな違和感を覚えました。

「あなた達は英語に関して今、ゼロの真っ白な状態です。

だからこそ、可能性があるんです。

なので、明日から毎日4ページ、英語を単語でも何でも良いので書いて提出して下さい。

卒業まで、毎日です。

そう言い放ち、ニッコリ微笑まれました。

「はっ?何言ってんの?

部活もあるし、勉強は英語だけじゃないのに。

若そうだから、新任?

まだ、学校のこと、良く分かってないのかな?」

現実味のない話に皆、「え~!?」とザワつく事もなく、クラスはシラ~としていました。

その時は何か1人で張り切っている、ちょっと綺麗な若い先生って印象でした。

、、が、何と当り前のように始まってしまったのです!

毎日、土日もなく英語の4ページ提出が。

私達に反発する勇気はなく「元気な男子が何とか言ってよ~!」とか、他の先生が止めてくれないかな~という淡い期待も虚しく、、、。

4ページの内容によってA上、B中、C下と評価され、誰に見せる訳でもないのに、中途半端な真面目さとプライドゆえに、私はいかに最小限の努力で効率良くAをとるかに集中し出しました。

周りも、皆そんな感じで、完全に先生のペースに乗せられてしまいました。

そのマイペースぶりは「4ページ提出」に留まらず、生徒には自分で英語の名前を付けさせ、クラスメートには、メアリー、ダイアナ、ジョン、スージーなどいました。

^^;

思春期の私達には、とても恥ずかしい感じだったのですが、そこも抵抗できず。。。

授業の始まりや終わりの挨拶、簡単な会話は全てハイテンションヽ(・∀・)ノな英語で、

先生は楽しそうでしたが、生徒は戸惑いながらついて行くという感じ。

でも、やがて慣れていき、英語の時間だけは何だか別世界にいるようで楽しくなってきました

授業の始まりには「今月の歌」と題して、流行りの英語の歌を先生が歌詞を配り、みんなで歌う、

教科書の会話文をグループに別れ、授業以外の時間にカセットに吹き込み提出など、独特のやり方で進めていました。

英語4ページも慣れると、諦めから~隙間時間にやる知恵も付き、いつの間にか私は先生の楽しい授業に魅了され、英語クラブにまで入っていました。

何というか、全てがゲーム感覚で楽しかったのです。

(4ページの「やらされてる感」だけは否めませんでしたが、、)

1度授業中に騒がしい事に先生がキレて「そんなにやる気がないなら止めます!」と職員室に戻ってしまったこともありました。

そして中学卒業してやっと「毎日4ページ」から開放された高1の春、私は驚きました。

他の学校から来た人たちの英語を書くスピードが遅すぎる事に。

その時、初めて「継続は力なり」を知ったのです。

先生に感謝した瞬間でした。

今思えば、毎日添削する先生の労力も相当なものだっただろうに、

当時は、

「みんな惰性でノート埋めてるだけなのに、先生(大人)って分かってないよね~。」とか愚痴ってたっけ?

先生が卒業の寄せ書きに書いてくれた言葉も忘れる事が出来ません。

「私のことなんか忘れて、高く高く飛び立って下さい。」

その横に空に舞い上がる風船のイラストも描かれていました。

「何で忘れて、とか書くの?」って当時はとてもショックでしたが、何か先生らしいな、とも思いました。

先生から貰った「アバ&ノーランズ」のカセットテープも一生の宝物です。

あの頃はカッコイイ大人の女性に見えて憧れもありましたが、

今は自分の受け持つ英語の勉強をしっかりさせつつ、海外に対する夢や楽しいイメージまで刻んでくれた事に、すごい先生だな~と思います。

田舎の小さな中学だったからこそ、文句を言わない子供達(親も)だったからこそ、出来たことなのかも知れません。

でも、だから、やる気が起きない、やらないっていう選択もあったでしょう。

生徒に嫌われそうな事を、わざわざ労力かけて良くやったな~と今では思います。

何より、The努力!って感じじゃなく、いつもオシャレで、楽しそうにしている先生が私は大好きでした。

部活がハードで顧問も恐ろしかったので、努力と我慢に辟易していたのかも知れません。

悩みを聞くではなく、つい忘れるような別世界を、

あの小さな教室で、しかも勉強をさせつつ魅せてくれた事に、今は感謝と尊敬しかありません

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